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実例
毛髪は再生がきかない

 トカゲは尻尾をつかむと、そのつかまれた自分の尻尾を切って逃げていってしまいます。切れたトカゲの尻尾は再生するから、トカゲは自分の尻尾をさっさと切って逃げてしまうのですね。
私達美容師は、お客様の髪をカットする時、シザースやレザーなどの鋭利な刃物を使う関係上、手などを切ってしまう怪我は常につきまとっています。
人の皮膚も、トカゲの尻尾までは行きませんが、真皮に至らない浅い切り傷であれば、基底細胞の細胞分裂によって、新しい皮膚が再生されて、切り傷のあとは残りません。 人の細胞は、細胞によってサイクルはそれぞれ違いますが、新陳代謝は常に繰り返されているのです。
表皮は、基底細胞で作られた細胞が有棘層、顆粒層、角質層へと14日間かかって、最後はアカとなって剥がれ落ちていきます。
表皮以外の細胞、たとえば、表皮の下の真皮の細胞は角化してアカとなって剥がれ落ちることは出来ないので、アポトーシス(細胞死の様式)と言って、細胞がバラバラに分解して、マクロファジー(細菌・異物・細胞の残骸などを細胞に取り込み、消化してしまう単核細胞)によって消化されます。
真皮の組織  表皮の基底層
繊維芽細胞  真皮は膠原繊維(コラーゲン)や弾性繊維(エラスチン)によって皮膚に弾力を与え、クッションの働きをしています。
膠原繊維や弾性繊維は年齢と共に少なくなってしまいますが、真皮の中の繊維芽細胞が、それらの繊維を再生しています。

←繊維芽細胞
断面図
表皮は基底細胞で再生される
 表皮は主として角質細胞からなる多層の上皮でできていますが、細胞分裂によって新しい細胞を生産するのは基底細胞のみです。
つまり基底細胞が損傷しなければ、皮膚は常に再生されているということです。
毛髪は毛母細胞で作られるので、毛幹が損傷しても再生されない
 毛髪は、表皮と同じ角化したケラチンたんぱく質です。表皮が内側に陥没して、陥没した先端に乳頭が形成され、乳頭の表面に毛母細胞が1列にならび、その毛母細胞が、細胞分裂を繰り返して毛髪が形成されるのですが、形成された毛髪はFIBREとなり完全に角化して、死んだ細胞になっています。 つまり、毛髪が作られるのは毛母細胞のみですから、毛髪は大切に扱わなければなりません。 しかし、毛髪は毛母細胞の分裂によって、3年から5年、もしくは7年の周期で生え替わり、1日で約0.35ミリ、1ヶ月で約1センチも伸びるものですから、毛髪の取り扱いは、つい軽く扱われる傾向が大きく、ブリーチやヘアカラー、そしてパーマや縮毛矯正などの処理を無神経にしてしまう風潮にあります。 毛髪は死んだケラチンたんぱく質なので、大切に扱わなければならないのです。

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