カラーのアレルギー

化粧品のアレルギーとヘアカラーのアレルギーは、
どちらも共に湿疹が出て激しい痒みは同じです。
しかし化粧品のアレルギーとヘアカラーのアレルギーは
アレルギーになる抗原が違い、アレルギーに対する抗体が違います。
しかし、どちらのアレルギーも、湿疹と痒みの症状は同じです。
アレルギー

アレルギーという言葉の由来

アレルギーとは、allos(変わった)、ergon(力・働)というギリシャ語から由来した言葉です。
アレルギーは身体の防衛機構の一つで、
アレルギーの反応が身体の中で超えると、関節が腫れてこわばり、痛みを伴う膠原病になります。

アレルギーとかぶれの発症

アレルギーになった人が、その後アレルギーの原因物質のアレルゲンが再び侵入すると、
ケラチノサイト(表皮細胞)のランゲルハンス細胞がTリンパ球と反応する。
結果、Tリンパ球が刺激されて、炎症を引き起こす因子のリンホカインを放出する。

リンホカイン(サイトカイン)とは

腫瘍壊死因子(TNF)・インターロイキン2(1Lー2)
マクロファージを活性化する(MAF・MIF)・紅斑を引き起こす因子(SRF)、
血管を増生する因子(angiogenic factor)の総称。
多くはTリンパ球増殖因子・マクロファージ活性化因子など。

アトピー性皮膚炎とヘアカラーのかぶれの関係

アトピー性皮膚炎は1型アレルギーというアレルギーです

・1型アレルギーとは

アレルゲン(感作物質)と接触して、IgE抗体との反応を通して起きるアレルギーがアトピー性皮膚炎です。

・1型アレルギーの症状が鼻で起きるとアトピー性鼻炎。
・1型アレルギーの症状が目で起きるとアトピー性結膜炎といいます。

アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)AD

ADの症状はIgE抗体の即時型なので、アレルゲンが接触すると直ぐに痒みが出て、
直に発疹が出現しますが、同時に遅延型皮膚炎の反応が関与していて、
T細胞が深くかかわっています。
しかし、通常の遅延型皮膚反応である接触皮膚炎(かぶれ)は、
48時間~72時間をピークに反応は弱くなりますが、
ADの皮疹(アレルギー)慢性的に経過していきます。

ヘアカラーのかぶれはIV型アレルギーというアレルギーです

・IV型アレルギーとは

免疫グロブリンG(IgG)は、ヒト免疫グロブリンの70~75%を占め、
血漿中に多い抗体です。
ヘアカラーのかぶれは、IgG抗体が関与していて、
パラフェニレンジアミンと接触して72時間後にかぶれの症状が出るところから、
遅延型アレルギーといわれています。
又、日光によって発症するアレルギーもIV型アレルギーです。
そのために、ヘアカラーでかぶれた人は、太陽の下に出る時には紫外線対策をしなければなりません。

ヘアカラーのかぶれと、防腐剤のかぶれと、日焼け止めクリームのかぶれ

ヘアカラーのジアミン系の色素でかぶれた人が、
交差(叉)反応という反応の仕方で日焼け止めクリームでもかぶれ、
防腐剤のパラベンでもかぶれます。
何故ヘアカラーでかぶれた人が日焼け止めクリームでかぶれ、
防腐剤のパラベンでかぶれるのかを解説します。

交差反応

身体の中にアレルギーを引き起すアレルゲンが侵入してアレルギーを発症した時、
免疫反応によって抗体が作られ、抗体が特定のアレルゲンを認識します。
特定のアレルゲンと構造式の類似したアレルゲンが身体の中に侵入すると、
抗体は類似しているアレルゲンを識別できず、
同じものと認識してアレルギーを発症させてしまう反応を交差反応と言います。

ジアミン・パラベン・PABA(紫外線吸収剤)の構造は類似しています

パラベン 括弧 ・パラフェニレンジアミン パラフェニレンジアミン ヘアカラーの中間染料
・パラオキシ安息香酸エチル(パラベン類) パラオキシ安息香酸エチル(パラベン類) 防腐剤
・パラアミノ安息香酸(PABA) パラアミノ安息香酸(PABA) 紫外線吸収剤


・ウルシオール 括弧   植物の漆でかぶれる人は、マンゴーでもかぶれ、マンゴーアレルギーと言います。
そしてマンゴーアレルギーの人は、ピスタチオやギンナンでもかぶれます。
※但し、漆のかぶれは、ヘアカラーのかぶれより、しつこくないので、
 一度かぶれると抵抗力が出来て、その後は漆に触れても大丈夫なケースが多いようです。
・マンゴー
・ギンナン


・天然ゴム 括弧 天然ゴムのラテックスでかぶれる人は、
バナナでもかぶれ、キウイでもかぶれることから、
ラテックスフルーツ症候群といわれています。
・バナナ
・アボガド
・キウイ