ストレートと加温の関係

ホルムアルデヒドが主成分のブラジリアンブローアウトは加温をしない

アメリカのブラジリアンブローアウトは生物を固定するホルマリンの作用を応用したストレートの粧剤です。

ホルマリンは生物の細胞に浸透して細胞を固めて、細胞の酸化(劣化・腐敗)を停止します。

ホルムアルデヒド CH₂O は分子量が30.03と、水 H₂O 分子量18.0に近い低分子量のために、毛髪に容易に浸透します。


従って、ホルムアルデヒドが主成分のブラジリアンブローアウトや、

ホルムアルデヒドに構造が似ているアルデヒド基が付いている香料が主成分のケラチンブローアウトは、

塗布した後、加温の必要がないのです。

チオグリゴール酸が主成分の縮毛矯正剤は加温をしなければなりません

縮毛矯正の縮毛を直毛にする原理はパーマと同じです。
従って縮毛矯正に使う粧剤はパーマと同じですが、
パーマと違う所は毛髪をパーマ以上に軟化させるために、アルカリの濃度が高い所です。


縮毛矯正もパーマも、毛髪の側鎖結合のシスチン結合を、1剤の還元剤で切断して、
毛髪の結合を緩めて、縮毛をストレートにします。
縮毛を直毛にするためには、縮毛に有効成分の還元剤を浸透させなければなりません。


毛髪は毛小皮(キューティクル)が4~9層重なっています。
毛小皮と毛小皮の間の細胞膜複合体(CMC)の親水性域(10Å)を通過させて
毛皮質(コルテックス)に浸透させなければ、縮毛は直毛になりません。


毛皮質に浸透した還元剤はシスチン結合を切断して、
アルカリは塩結合を切断して、水は水素結合を切断して、
縮毛を膨潤軟化して、アイロンで直毛にして、2剤の酸化剤で固定します。


そのために還元剤を縮毛に浸透させるための手段として、
『加温』は必須のプロセスなのです。